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2021年09月08日

ピンチなのに周りを見て安心してしまう?!

CTNブログ岸英光自分自身の生き方、変化、成長日常生活での気づき、趣味仕事、ビジネス、経営、組織づくり介護、福祉福祉参加者の声

 

パラダイムシフトコミュニケーション®︎トレーナーの裵(ぺ)です。

今回は、パラダイムシフトを起こす要素の一つである「許可(※)」が結果につながったエピソードを紹介します。

 

新型コロナウィルス(以下、新型コロナと略称)が流行し始めてから、人との接触が避けられないお仕事(飲食店、ホテル・旅館、介護施設等)は、苦境に立たされ続けています。

わたしの友人Aさんは、高齢者介護施設を運営しているのですが、やはり新型コロナの影響を受けて業績が伸び悩んでいたため、「困っているから話を聴いて欲しいの」と相談を受けました。(以下、個人情報のため、文脈を損なわない範囲で脚色しています)

介護施設の利用者は高齢者ですから、新型コロナの流行が目立ってきた時期から、利用を控える人が続出したそうです。

特に、日帰りで介護を受けるデイサービス(定員30人)では、2020年の新型コロナ流行をきっかけに、感染を心配した利用者が利用を控えるようになり、1年が経過しても利用者が20人前後で低迷しているということでした。

そして、よく話を聞くと、利用していた人が利用を控えるだけじゃなく、新しく利用する人も増えないと言うのです。

「近隣のデイサービスに聞いても、どこでも利用者が増えなくて…なかなか厳しいです」

 

 

その言葉を聞いて、わたしは疑問に思ったことがあったので、その方に尋ねてみました。

 

わたし「本当に、どこのデイサービスも増えていないの?」

Aさん「わたしが知っているところは、みんなそう言ってます」

わたし「知らないだけで、増えているところもあるんじゃない?」

Aさん「ん〜まぁ、定員いっぱいで運営しているところもありますね」

わたし「定員いっぱいに使ってもらいたいんだよね?」

Aさん「はい」

わたし「なんだか、うまくいってない方をみて、安心してるように聞こえるよ?」

Aさん「うっ!確かに…。ウチだけじゃないから仕方ないって思ってたかも」

 (続く)

 

不思議なもので、いい結果を作りたい!と思っているのに、Aさんみたいに、うまくいっていない方の結果を見て、安心して、「しかたないよね」と立ち止まっちゃうことってありますよね。

Aさんもまさに、そんな風に「なかなか難しい」を証明する情報に目が行ってしまう状態だったので、「なかなか難しい」からシフトするため会話を続けました。

「これはあり得ない!としていることを、あってもよし!としてみよう」と提案し、言葉にして言ってもらいました。

 

・新しい利用者が月10人増えることが、あってもいい

・スタッフが営業に協力的になることが、あってもいい

・取引のないところからの紹介が、あってもいい

・利用を控えている人の利用再開が、あってもいい

 

言葉にしたことで、Aさんの中で「許可」が出せたようで、それまでよりも表情が柔らかくなり、彼女のあり方が抵抗感なくシフトしていることを感じとることができました。

あり得ないとしていることをあってもいい!としたAさんは、その後のチラシづくりや、スタッフとのミーティングの改善についてアイディアを出し合っている時に、「それは難しい」と言うことなくメモして、採用するアイディアを決める時には、「これにしたら、●●や▲▲という結果にもつなげられそうですね」と、アイディアの可能性を自分で見出せるくらいにまでなっていました。

それから3ヶ月後、Aさんから連絡が入りました。

 

・利用者は、1日あたり平均25人くらいの利用者に戻ってきた

・指示をしたわけじゃないのに、スタッフが自主的に営業に使えるツールを作ってくれた

・まったく取引のなかった会社から、新しい利用者の紹介を受けた

・利用を控えている人が、5人一気に利用を再開した

 

報告をくださったAさんの様子はイキイキとした表情をされていて、3ヶ月前に行き詰まっていたAさんとはまるで別人のようでした。

あのまま、「よそも厳しいから、うちも厳しくてもしかたない」というあり方に止まり続けていたら、いまの彼女はなかったでしょう。

苦境にはまると「なんとかせねば!」と、自分に強制力をかける言葉が、頭の中で駆け巡ることってありますよね。でも、この強制力をかける言葉は、柔軟な発想を妨げたり、チームメンバーの主体性を奪ったりもします。もし、それを続けていたら、結果の出方も違ったでしょう。

今回、Aさんは「あってもいいという許可を出す」ことが、どんなに可能性を広げてくれるのかを体験できたと喜んでいました。

パラダイムシフトを扱うコーチとして、Aさんのシフトはわたしにとっても嬉しい出来事でした。

「許可」の軽やかさは、これは体験してみないとわからないことですが、このブログの読者のあなたには、ぜひ体験してもらいたいです。

 

(※「許可」は基礎講座の中で扱うセンスです)

 

 

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