私が任せた春菊の行方~成長を創ること、成長がくれるもの
自分自身の生き方、変化、成長人間関係CTNブログ講座・イベント情報、報告、講座に参加して引き込まれるように読み進めるうちに、その気配を感じる間もなく突如こぼれ落ちた涙。それに遅れて感情がついてくるという、稀有な体験をしました。
そんな体験をくれたのは、2022年も間もなく終わろうとしている頃に届いた一通のメールでした。送り主は、パラダイムシフトコミュニケーション®連続講座にご参加されたばかりの❛静かなパイオニア❜と密かに私が感じている方。
その送り主さんから「どなたかの貢献になるのでしたら」と、掲載のご快諾を頂戴し、ここにシェアさせて頂きます。
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昨日の仕事場での出来事をつらつらと書きたいと思います。
私の職場に新入社員がいます。
高校卒業と同時に社会人となった彼女と今年一緒に仕事をしてきましたが、どんな会話をしていてもリアクションや感情が表に出づらいのか、反応が思ったように感じられず、私自身やきもきする事が多くありました。
どんな気持ちで仕事場にきているのかなとか、働いていて楽しいのかなとか、気になりながらも掴めないことが多い日々。しかし、よくよく考えれば、私は上司にあたるから、打ち解けたり、感情を出したりすることは難しいのかもしれないと、一人思いあぐねることが続いていました。
そして迎えた師走。
12月の中旬から年末に向けては毎年、皆さんが食卓の鍋などで食される「春菊」を販売先のオーダーを受けて、たくさん出荷するという仕事があります。
冬なので雪が降ったり、寒くて春菊が思うように生長しなかったり・・・、オーダーを先に受けつつも、環境要因で準備できるかどうか分からない不安がある仕事なのです。私も過去にこの業務を担当したことがあり、一言で表せば、それはもう大変でした。
と、ここまで説明して何なのですが、この仕事を新入社員に任せました。
最初は当然分からないことばかりなので一から教え、また自分自身がその仕事に取り組んだ時に味わったこと、関わった人への感謝や甲斐、充実感を得ることができたこと等も伝えました。
そしてその後は、あまり細かく指示してしまうと、やらされ仕事になってしまうと思い、見守ることを選択しました。
12月半ばから2週間もの間、クリスマスで世間が楽しんでいる日も、オーダーに応えるため、また美味しい春菊を消費者に届けるため、作った生産者に満足してもらうため、毎日彼女は仕事に取り組みました。
そして迎えた最終日。
無事にオーダーをクリアする数量を集め仕事を達成しました。
自分が集めた商品でいっぱいになったトラックを見ていた彼女は泣いていました。
理由を尋ねてみると、自分が頑張ったこと、周りの人に助けてもらったこと、クリアできた達成感が溢れたと。
その話を隣で聴いた私も、思わず嬉しくてもらい泣きさせられました。
やっと彼女の感情に触れられたこと、彼女の成長が私にも跳ね返ってきたような瞬間が、こんなにも喜ばしいことなのかと驚きました。
「立場を取る」。講座で触れたこの言葉を生きたとしたら、私は、彼女の成長に立場を取って、自分の言動を選び、信頼のもとに見守り、出荷までの責任を共に重ねて生きた時間だったのだと思います。
もう一つ驚いたのは、彼女の成長を意図して立場を取った私自身が、上司として成長した実感を味わっていたことでした。
仕事終わりに彼女から
「一年間ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。」
と言われた私は、これまでなら
「一年間お疲れ様でした。」
と言っていたと思います。しかし、私の口から聞こえてきたのは、
「こちらこそありがとうございます。」
という言葉でした。
今の自分が感じていることが率直に言葉となって出てきたのだと振り返っています。
長文お読みいただきありがとうございます。
どうぞ良いお年を!
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こう締めくくられた体験談でした。
そして成長と共に迎えられた新年、連続講座に参加中の送り主さんは、さらに多くのプログラムを学びパワーアップ!
間もなく後輩を迎え入れる新入社員さんと共に、東北のある町で生産者の甲斐と消費者の喜びをより高めるべく動き始めています。
どんな誰と出会い、どんな影響を与え、どんな影響を取り入れていくかで人生が変わるとしたら、
私もこのシェアの送り主さんのようでありたい、そう心新たにした年越しでした。
お読みいただきありがとうございます。
CTN講師・主催 佐藤 和美