「首を傾げながらの選択」が人生の転機に
CTNブログ自分自身の生き方、変化、成長日常生活での気づき、趣味わたしが、コミュニケーショントレーニングネットワーク®(CTN)に出会い
パラダイムシフトコミュニケーションに初めて触れたのは、10数年前でした。
いま思えば、そこを境に、仕事にしても人間関係にしても、何を扱えば自分自身を機能する状態にすることができるかを観る視点が大きく広がりました。
おかげで、仕事にあれこれ工夫ができるようになり、葛藤の大きな人間関係でのストレスも軽減できるようになり、やりがいも増えました。
また、このセンスの奥深さを一人でも多くの人に知ってもらいたいと思うようになってからは、講師やライターの仕事もするようになりました。講師として、日本各地から研修・講演で招かれるようになりましたし、ライターとして「理由を探る認知症ケア」を出版し、いまは毎日新聞・医療プレミアでも連載を担当させていただいています。そのため、わたしにとって、CTNとの出会いは人生の大きな転機のひとつだと言えます。
実は、この出会いに、大きな影響を与えた人がいます。それが「カルチャーセンターの受付のお姉さん」です。
この人がいなければ、わたしの人生は、また違った展開になっていたかもしれません。
当時のわたしは、コーチングを学びたいと思い、様々な講座を調べていました。しかし、自分が触れる情報は、いずれも当時のわたしにとっては高額だったので、講座で講師を通じて学ぶことを諦めかけていました。でも、ふと「カルチャーセンターとかでやってないのかな?」と思い、調べてみたら、なんと、お手軽な価格で6回シリーズとかで学べる講座を見つけられました。「本を読んでるだけじゃなく、ワークとかもあるだろうから、楽しみだな」そう思いながら、カルチャーセンターに申し込みに行きました。
わたし 「この講座を受けたいんですが、まだ申し込み出来ますか?」
受付の方「大丈夫ですよ。こちらの申し込み用紙をご記入ください」言われた通りに申し込み用紙を記入し、講座の料金も払い終えて、手続きは完了しました。
ところが、この受付の方は、次のように続けたのです。受付の方「ところで、この講座の体験講座がありますが、受講されますか?」
その瞬間、わたしにはいろんな「?」が浮かびました。
・え?いま、申し込んだよね?
・受講するって決めているのに、体験する必要ある?
・どういうこと?そこで、受付の方に質問しました。
わたし「え? 体験講座って、この講座を受けるかどうかを検討する人が受けるものですよね? わたし受講を決めているのに、受けないといけませんか?」
受付の方「いえいえ、そういうわけではありません。今回、講座で講師を務められる方々のお師匠さんにあたる方が体験講座をされますので、めったにない機会ですし、いかがかなと思いまして。受けないといけないということはありませんよ」
そう言われたわたしは、「なるほど!」と納得したわけでもなく、かといって「そんなのいらない」と聴く耳を持たなかったわけでもなく、「ん~そうですか。じゃ、申し込みます」と首を傾げながら申し込みました(笑)
そして、申し込んでおきながら、妻に「講座申し込みしたのに、体験講座勧められてんで。わけわからんやろ? 申し込んできたけど」と自分で決めて申し込んだ後なのに、文句を言っていた情景が、いまでも鮮明に思い出されます。その1年後くらいに、神戸でCTNの講座が立ち上がりました。カルチャーセンターの講座でも「体験講座で講師をしていた岸さんがメインでリードする講座が立ち上がるよ」と案内があり、「あ、あの時、講師をしていたメガネの人が講師を務めるのか。それなら参加してもいいな」と思い、神戸講座への参加を決めました。
やっぱり全然知らない人の講座に行くのと、ちょっと知っている人の講座にいくのとでは、ハードルの高さが違いますよね。カルチャーセンターの受付のお姉さんの勧めに応じず、「結構です」とお断りしていたら、神戸講座にも参加していなかったかもしれず、いまのわたしとは違う人生だったかもしれません。
そう思うと、あんなに不満げに、納得もせず、首を傾げながらも、申し込んだ体験って後にも先にも思い当たるものがありません。でも、あの時、押し付けるでもなく、ただ、情報として、いかがですか?と純粋に勧めてくれた受付のお姉さんのあり方が、「まぁ、それなら受けてもいいかな」というわたしのコーチャブルさ(コーチを受け入れるあり方)を引き出してくれたのかもしれません。
「人は、それを言っている人のあり方に触発を受ける」ってことを、CTNの講座全般を通して認識しましたが、思えば、カルチャーセンターの講座の時に、わたしはすでに体験していたんですね。
「首を傾げながらもコーチャブル」だったことが、わたしの人生の転機になりました。納得できるかできないかで選択していくのもいいけれど、それだけだとチャンスを逃すこともあるかもしれませんね。