「こうしてあげなきゃ」を手放し、子供に委ねてみると
講座案内CTNブログ家族、親子、子ども・親との関係など自分自身の生き方、変化、成長こんにちは。井岡 雄以です。
東京で人材育成のコンサルタント・講師・コーチをしています。
また、家では4歳と2歳の娘ふたりの父親として、子育てにも奔走中。
子供とのやり取りは思ったようにいかず、困り果てることも日常茶飯事です。
でも先日、それがだいぶ楽になった体験がありました。
子供たちを連れて実家に帰っていたときのこと。
4歳の長女が朝
「パパー!今日もピンで髪留めてー!」とお気に入りのピンを持ってやってきました。
きっと、昨日と同じようにして欲しいのだろうな。と思いながら娘を見ると、
あれ、でも前髪が寝癖で跳ね上がっていて、昨日よりかなり乱れてる・・・。
これじゃあ、そのまま留めても上手くいかなそう・・・。
そう思った私は、
「前髪濡らして直してからピン留めよっか?」
と伝え、洗面所の方に連れていこうとしました。
しかし娘の反応は、
「いいの!ピンで留めて欲しいだけなの!!」
当然同意するだろうと思ったのに、娘の反応はまさかの軽く怒り気味。
「いやいや、そのままだと髪まとまらないから、絶対直してからの方がいいよ。」
とこちらも少しムキになって伝えると、
娘:「いいの!このまま留めて!」
私:「留めたとしても、ぐちゃぐちゃで留まっちゃうかもだけど良い?」
娘:「やだぁ!!」
私:「じゃあ直してから留めようよ」
娘:「やだぁ!!」
私:「じゃあどうすればいいのよ」
娘:「パパ抱っこしてー!(泣)」
良かれと思ってとったコミュニケーションなのに、全く機能せず、いつまでも娘の前髪は可愛くピンで留まりません。
娘も泣き出して雰囲気最悪。ふたりとも消耗し、時間が過ぎていくばかり。
「絶対こうした方が良いのに、なんで伝わらないんだろう?受け入れてもらえないんだろう?」という疑問で頭が占領され、
ついには「やってらんない、放っておこう」も湧いてきました。
ただ、一旦立ち止まり考えてみると、
「娘のお願いにしっかり応えたい」「かわいくしてあげたい」「まずは分かり合いたい」といった気持ち・・・
この気持ちが自分にあるのも事実。放っておくのは違うな、と。
もしかすると、
娘の「前髪をピンで留めて」という依頼にただ応えようとしていたのに、
いつのまにか私から「前髪を濡らして直してからピン留めしなさい」と逆に指示・命令になってしまっていたかも。
思い通りにどうにかしようと、無理なコミュニケーションになってしまっていたかも?
そこで、ふたりの応酬状態がちょっと落ち着いたところで、
自分の思いや考え、娘の選択肢をひとつひとつ丁寧に娘に伝えることにしました。
「〇〇(娘の名前)は、昨日みたいにかわいく髪の毛を留めたいと思ってるんだよね。パパもそうしてあげたいと思ってるよ。
たださ、今は寝癖で髪の毛が跳ねてて、このままピンで留めても、『かわいくない!』って残念な思いになっちゃわないか心配だったんだよね。
で、濡らしてドライヤーしてさ、寝癖をまっすぐに直してからピンで留めると、昨日みたいにかわいくできると思っていて、パパはそうしてあげたいと思ってるんだけど、どうかな?」
「ただ、このまま留めて欲しいってことなら、そうすることもできるから、考えてみて?」
娘も落ち着いてしっかり聴いてくれた様子でした。
これで自分の中にあることは伝えきった。あとは娘に任せよう。
ここで、娘から離れました。
すると30秒程したら、
「パパぁーーーー!」と、まだ軽く涙声ながらも勢いよく寄って来て、
「おお。どうすることにしたの?」と訊いてみると
「髪直してピンで留めるー!」とのこと。
「そっか。それじゃ、そうしよう。」
正直なところ、その後、髪の毛を濡らしてドライヤーをしてあげるときも、前髪を直すプロセスに「違うー!」と注文をつけてきたり、大変なところもありました^^;
それでも、娘は「やっぱ直すの止める!」とはならず、一緒に前髪を真っ直ぐにしました。
そして、万全の状態で、髪を分けピンで留めてあげ、鏡で昨日みたいなっていることを確認すると、にかーっと満面の笑み^^
さっきまでのぎゃん泣き状態が嘘のように、同じく実家に遊びに来ていた従兄弟の女の子と楽しそうに遊び始めました。
そんな姿を見て、「喜んでくれて、笑顔になってくれてよかった」と心から嬉しさを感じました。
ちなみに今回、結果的に娘は自分の提案を受けてくれましたが、受けてくれなかったとしても全く私には問題なかったんじゃないかなと思います。
ただ伝えきることができた時点で、自分にOKが出せ、あとは娘の選択次第だなと心から思うことができていました。
「相手をどうにかしよう」ではなく、まずは自分をしっかり伝え切ることで、こんなにもコミュニケーションが楽になるんだなー!と。
そして、この体験のように私が日々のコミュニケーションに違いをつくるシーンでは、CTNの連続講座で学び、トレーニングして培ったセンスがたくさん活きています。
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