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2023年10月05日

子供たちの心を聴いたら、想像もしなかった結果に!!

教育家族、親子、子ども・親との関係など

わたしは、小学校の支援学級で担任をしています。

学校というところには、体制というか慣習というか、どうしてもこうなりがちである、というような「傾向」のようなものがあり、それを「変えていきたいな」と思っていろいろ働きかけても、なかなかその働きかけが成功しないこともしばしば。

たとえ、「こうしましょう」と提案し、「はいわかりました!そうですね」と一旦は合意されても、一時しのぎ的なものとなり、いつのまにか元の状態に逆戻りしている・・・なんてことを多く経験してきたように思います。

でも、支援学級で自分が受け持っている子供たちに、わたしはどんなことができるのだろうか。何かできることはあるはず。

せっかく今コミュニケーションを学んでいるので、

それを使って自分自身が子供たちに対してやれることは何だろう。

学んだセンスを、自分自身が実践しよう、子供たちの今のためにアウトプットしていこう。

それを日々行っているところです。

支援学級に在籍している子ども達の中には、感情のコントロールができず、自分の気持ちに素直になれなかったり、相手の気持ちを知る(思いやる)ことができなかったり、そのことが引き金となり、うまく人間関係を築くことが難しい子がいます。

今日紹介するのは、支援学級の子どもたち同士で起こったある日のできごとです。

ブロックで、キャラクターを作ったAさん。そして、そのブロックをわざと壊したBさんがいました。

壊された方のAさんは、「あいつは、わたしの作った作品を壊した。絶対許さん!」と言っていました。

一方、ブロックをわざと壊したBさんは、自分がしたことを絶対に認めず、謝ることもせず、「絶対謝らん。会いたくない。私は悪くない!!」と発言していました。

この部分だけを切り取ると、Aさんがかわいそう。Bさんが悪い!と解釈されますが、実は、Aさんがブロックを壊されたときに、Bさんに向かって、「なんで壊したんや!!死ね!ブス!!お前なんかおらんかったらいいねん!!!」と吐き捨てたのです。

それで、Bさんは、怒り狂い、「絶対に謝らん。会いたくない。私は悪くない!!」という発言に至ったのです。

以前の私だったら何とか関係修復しようと割って入っていたかもしれません。

でも、この時の私は、違っていました。

例えば、わたしの頭の中では、冷静に整理されていくのが分かりました。

大切なものを壊された人の言い分も理解できる。感情が抑えられないほど腹が立ったのだろう。だけど、相手の容姿や生き方を否定するような発言はしてはいけない。

自分のことを全否定された方の言い分も理解できる。だけど、それとブロックを壊したこととは、別別のこと。

どちらの言い分も、両方とも『事実としてあること』

じゃあ、この二つを一緒くたにして、いっぺんにふたりに伝えたらどうなる??

わたしが子ども達に伝えたいこと、子ども達がお互いに伝えたいことは、伝わるかなぁ??

ダメダメ、絶対に炎上するなぁ。

時間がかかってもいいから、一人ひとりに話をしたほうがいいかなあ。

でも、

子ども達は今、ヒートアップしている。ますます状況は悪くなる。

このままにもできない。放ってはおけない。

炎上してもいい、ひとつひとつを伝えてみようと思い、ドキドキしながら子どもに話しかけてみました。

「ねえAさん。いま、どんな気持ち?」

「わたしのブロック壊した。死ねって思った。あいつなんかおらんくなったらいいのに・・・」ここには、書ききれないぐらいの真っ黒な感情がいっぱいあふれ出てきたのです。

その間わたしは、ただ聴いていました。

そして、Aさんの黒い感情からの言葉が止まったあとも、そこで終わりとはしないで、

「他にモヤモヤしたことは、ないの??」と聴きました。

そしたら、少しスッキリした様子で「ない」と。

わたしは、それをしっかり受け取りました。

そしてその次に、

「死ねって言われたお友だちは、どんな気持ちになったと思う?」とたずねました。

すると、あっ!という顔をして、

「いやな気持ちやったと思う。」と、

さっきまでとはまったく違うことにAさんの考えが向かったのです。

さらに

「どうしたい??」と尋ねると、

Aさんは「あやまりたい。」と、

その子は謝る気持ちになったのです。

そして、わたしはその先も伝えることにしました。

Aさんに「謝っても許してもらえないかもしれないよ。それぐらい、ひどいことを言ったんだってこと。でも、あなたが謝ったことは事実。許してもらえなくても、許してもらえてもBさんに謝ったんだってことでマル◎やからな。いいかな?」と伝えました。

Aさんはうなずきました。一緒にBさんのもとに行くことにしました。

今度は、Bさんに話を聞きに行くと、わたしの顔をみた瞬間「謝らんで!」と激しい言葉を突き付けてきました。

きっと、わたしに怒られるとか責められるとか、謝らされるとかそういったことを感じたのかもしれません。

以前ならBさんの拒否にあって、やはり関係を修復するために頭がいっぱいになっていたかもしれません。

でもこの時も、そうではない自分が現れました。わたしは、ただBさんに言いました。

「いいよ。謝らなくて。だけど、Aさんは、あなたに暴言を吐いたことを謝りたいって言ってる。許したくなかったら、許さなくていい。許したかったら、許してもいい。Aさんが謝ったことをただ、受け取るだけでいい。「わかった。」って。その後の気持ちは、あなたに任せる。どう?」

と伝えると、「え??それだけでいいの??」と不思議がるBさん。

「いいの。それで。」

「じゃあ、連れてきて!」

普段なら、こうと思ったら、絶対に意思を曲げないBさんが「連れてきて!」

と言っていました。

これには、わたしもビックリしました。

そしてさらにこんなことが!!

Aさんを連れてきて、Bさんの顔を見ると、

Aさんは、「死ねとかブスとかひどいことを言ってごめんね。」と伝えてくれました。

そしたら、絶対謝らん、許さんと言っていたBさんが

自分からめちゃくちゃ小さな声で「わたしも謝らなあかんな。ごめん。」と言ったのです。

Aさんも、まさか謝ってもらえると思っていなかったようで、「‥‥うん。」と動揺していました。

わたしも、動揺が隠せず・・・こんなこと初めて!にドキドキしていました。

Aさんと教室に帰るとき、「Bさん、声めっちゃちっちゃかったな。」と言っていたので、「ちっちゃい声でも、あの子の最大限の気持ちをあなたに伝えたんやと思うよ。だから、Bさんの気持ち、受け取るだけでいいねん。「わかった。」って。」と伝えると、Aさんは笑顔で「わかった。」と言ってくれました。

最後に、「Bさん、「ごめん。」って言えたのかっこよかったで!!」というと、ちょっと照れたような顔をして「うるさいわ!」と言っていました。

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