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2018年06月20日

自分次第で勉強を始めたら、不登校の子どもが、楽しんで学校へ!

CTNブログ家族、親子、子ども・親との関係など教育参加者の声

発達障がい児・家族を支援するNPOを運営している薮本です。

NPOの活動の一環として、
小中学生の不登校対応や勉強が苦手な子どもの学習サポートをしています。

昨夏、不登校で家に1年間、
引きこもり状態の中学3年生の男の子の支援を親御さんから依頼されました。

「息子が、元気で学校に行けるようになって欲しい」

それが親御さんの願いでした。

親御さん以外、ほとんど誰とも会わなかった男の子だったので、
会う前に、私達がどんな人物か、安心してもらえるように自己紹介として

「私達は、そのままの自分で、自分次第でやりたいことをどんどん実現できるよう、
子ども達の支援をしています」

「私達が提供できることは、学習サポートです。最小限の努力で、最大限の結果が出ます」

「もし、あなたのやりたいことを実現するためのサポートができたなら、ものすごく嬉しいです」

という気持ちを手紙に書き、親御さんから本人に渡してもらいました。

そして、初めてのお宅訪問日。
その男の子は、すぐ玄関から出てきてくれて
私達に自分の困り感を堰を切ったように話してくれました。
そして、私はただ頷いて受け取り続けました。
彼は、自分の中にあることを全て言い終わりました。

そこで「何か、私に協力出来ること、あるかな?」と訊いてみると


彼は
「高校受験があるのに、学校へ行けてないから、勉強がわからない。
高校合格するために勉強を教えてほしい。」
と言いました。

彼の依頼を引き受けて、
週1回、お宅訪問をしての高校受験に向けた学習サポートを開始しました。

ところが、彼は1年近くも、家に引きこもり、
1日中ゲームをして、生活リズムも崩れていたこともあり
最初は、爆睡していたり、体調が悪かったりで
会うことさえ、なかなかできずにいました。
そんな中でも、本人は、「勉強をしなければ!」という
思いや焦りが強く、何度か私達と会い、勉強をしようとしました。

実は、「○○しなければ!」からスタートした行動は、
目標に到達する前に、エネルギー切れになることが多く、行動が止まってしまう場合があります。

そこで、私はその男の子に
「なんでも願い事が叶うとしたら、大人になったら、どんな生活をしたい?」
と、訊いてみました。

すると、その男の子は
「24時間ずっとゲームをしていたい!」と答えたのです。
私は彼の話を遮らず、否定せず、諭さず、提案もせず、ただ彼の言うことを聴きました。

私たちのNPOでは、
【すべての子どもがそのままの自分で、自分次第でやりたいことを実現し、
イキイキ生きられるように】活動をしています。なので、

「それが実現できたら、嬉しいよね。
じゃ、その生き方をするためには、どうしたらできるかな?」
と、言いました。

自分のやりたいと思っているゲームをずっとするためには、
どうするかの会話になると、
その男の子の目がキラキラ輝いて、どんどんアイデアが出てきました。

最終的には、
「ずっとゲームするためには、ゲーム機代や電気代など、お金がいる」
「お金を稼ぐためには、仕事をする」
「仕事をするためには、高校卒業する」
「高校行くためには、勉強する」
と、なり、「ゲームをずっとできるに繋がってるんだったら、勉強するわ~!」
と、すごく楽しそう。

そして、「じゃ、どうやって勉強する?」と訊くと、
「本を広げて覚えたりするの邪魔くさいから、歴史の年号とか、
化学式とかを書き出して、壁に貼っておいたら、いつでも、パッと見て覚えられるよな」
「英語の単語は、覚えやすい単語帳を買ってきたら1人でも覚えられる」
「数学は、1人ではわからんところ、いっぱいあるから、そこを助けてほしい」
などなど、

どうやったら効率的に勉強できるか、高校合格のための戦略、戦術が
どんどんその男の子から出てきて、
私が「それいいやん!もちろん、協力するよ!」と言うと、
「よし、やるぞ~」と、早速、勉強を始めました。

それから毎週の学習サポート時には、
数学の問題が解けた時は
「わかったー!」と大喜びしたり、
間違ったら「くそ~!もう一問やる!」と、悔しがったりしていました。

そのうち、勉強をすること自体が楽しくなってきたようで
試験会場の学校で、高校受験をするためには、家の外で勉強する必要があると言って
自ら自転車に乗り、私達NPOの活動場所まで来て、勉強を始めました。

最初の依頼は「数学」だけだったのが、
「英語」や「社会」、「理科」と教えてほしいと依頼が増え、
勉強だけではなく、面接の練習もしようと、受け答えの文章を考えたり、
模擬面接をやったり。
「面接なんて、嫌や~。無理や~」と、言いながらも、
苦手なまま、練習ができ、出会った頃とは全く違う、イキイキした顔をしていました。

そして、出会ってから、わずか7ヶ月、なんと!

一度も行ったことがなかった学校の、
校長室で開かれた卒業式にも出席することができ、さらに!
高校受験も志望校に見事、合格できたのです!

引きこもりからスタートして、
私たちNPOとの出会いを経て、たった7ヶ月で欲しかった結果を手にした彼。

彼とのコミュニケーションの中で、
私たちが大切にしたのは「バイタリティのサイクル※」です。
やらされ感や義務感からやるのではない、
バイタリティがどんどんあふれ出るような活動は人間なら誰しも可能なものなのです。

※CTNコーチング連続講座コミュニケーション・スキルコース および
※パラダイムシフトコミュニケーション連続講座(パラダイムエッセンスコース)
で扱うセンスです。

そして、現在
その男の子は…と言うと、
毎日、高校へ通い、勉強したり、友達とおしゃべりしたりと、学校生活を楽しみ、
余暇は、思いっきり、オンラインゲームをやり、
自分次第でやりたいことを実現し、毎日を楽しんで過ごしています。

先日、その男の子のお母さんからお手紙をいただきました。

---
昼夜逆転の生活になっていた子どもに対して、
𠮟ったり、指示や命令、提案ばかりしてきた時は、
全く子どもは言うことを聴いてくれないし、
怒り出したり、無反応になったりしていました。

それが、今は、
朝も時間を伝えるだけで、自分で起きてきます。
生活リズムも良くなってきました。
そして、高校生活の中で、ストレスがたまる出来事もあるようなのですが、
以前と違って、「そうなんや」とただ聴いていると、
子どもが、「僕も、ちゃんと相手に伝えればよかったわ」と
自分自身でどうするか考えるようになり、自分次第で行動しています。

本当にすごく嬉しいです。


---

というような、メッセージが書かれていました。

私は、全ての子ども達が、
このバイタリティのサイクルを回して、自分次第でやりたいことを実現し、
イキイキ生きられたら、最高に嬉しいなぁ〜と思って、今も活動しています。

※この記事は、2018年6月20日の記事を2020年5月3日に修正したものとなります。

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