患者さんの話を聴くだけで患者さんが生き生きとリハビリをするようになりました!!
CTNブログ医療、看護、歯科、リハビリ仕事、ビジネス、経営、組織づくり介護、福祉患者さんの回復を思い、患者さんに医療者が提案や指導しても、なかなか受け入れてもらえなかったり、患者さん自身がやる気がでなかったり、
医療関係者の方々はいろいろと苦労する場面が多いのではないでしょうか。
その患者さんは、脳卒中になって当院に運ばれてきたのですが、運動麻痺はほとんど有りませんでした。
しかし、ご本人は、自分が入院している理由がわからず、この状況に不満を持っていました。また、歩くとまだ転んでしまうので、
「一人では歩かないように」と何度伝えても、理解されず、医療者は困っていました。
そして、その患者さんは、看護師のケアやリハビリを拒否することがしばしば見られました。
担当セラピストから、なかなかリハビリをやってくれないので困ってる、という相談をされたので、私が代わりに治療をすることになりました。
「おはようございます。初めまして、本日は担当の〇〇に代わりリハビリをします、渡邉と言います。今からリハビリはいかがでしょうか?」
その患者さんは横向きに寝ながら、私の挨拶を聞いているようでしたが、こちらにも目もくれずに小さな声で、
「今日はリハビリやらないよ」と言われました。
「そうですか。わかりました。□□さんが最近、体調がすぐれないと伺ったので、お話だけでも聴かせていただけませんか」
と伝えたところ、しぶしぶですが受け入れてもらい、マッサージをさせてもらいながらお話を伺いました。
「肉が嫌いだって言ってるのに毎日毎日出され、なんで食べなければならないんだ。ここの食事は得体の知れない食材を使って食べたくない。あんなもの食べてるから便秘になるんだ。」
「ずっと寝てるから腰が痛い。となりの患者のいびきがうるさいから眠れやしない。」
「看護師の口の利き方もなってない。」
「おれは歩けるのになんで歩いちゃだめなんだ。家に帰りたいって言ってるのに歩けないから帰れないって言われる。歩くなって言ってるくせにどうしろって言うんだ!!」
話すほどに声が大きくなって、約1時間ぐらい、話していただきました。
すると、患者さんはそれまで私の方には向かず、天井を見続けながら話されていたのですが、急に私を見て、
「申し訳ないね、こんな愚痴ばかり聞いてもらって。もうマッサージはいいよ。」と言いました。
リハビリはどうされますか?と訊くと「リハビリはやらない」と断られました。
「そんなことないです。ここのところ何もかも拒否して一日中カーテンを閉めてじっとしているんですけど、さっき車椅子に乗ってみんなと一緒にテレビ見てました。
随分とニコニコしていたので声をかけたら、リハビリやらないのって聞かれました。びっくりしました。渡邉さんは一体、何をしたんですか??」と驚いていました。
、ただその言葉を受け取るように聞き続けただけでした。
他の患者さんとテレビをみるようになったり、家に帰るためのリハビリに積極的に取り組むようになりました。
リハビリテーションに臨む患者さんは、いつも不安や痛みなど様々なことを抱えていて、現実に押しつぶされそうになっています。
このセンスを使うことで、患者さんが本来の希望に向かってリハビリを行うような姿をみることができて、本当にこの仕事をやっていてよかったなぁと思います。
これからも、患者さんの前進を意図しながら患者さんを受け取り続けます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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