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2019年05月25日

突然の事故とコミュニケーション

CTNブログ仕事、ビジネス、経営、組織づくり

コミュニケーショントレーニングネットワーク(R)講座完了生の大作です。
私は、北海道で廃棄物・環境関係の会社経営をしています。

 

北海道では3月になってもまだ雪の天候が続きます。
そんな北海道らしい雪の日。2013年3月14日午前8時。
通勤中の私に、会社から電話が入りました。
「大きな事故です!詳細は分かりません!!」というのです。

 

 

「詳細が分からないのに、何で大きな事故なんだ!?」
聞いても答えはありません。

 

私も含め、社員全員が頭の中が真っ白になっていました。
意味不明な一報に大きな不安が広がるまま、私は会社へと向かいました。
そして、会社に着いた時には、詳細が分かっていました。

 

弊社の大型トラックがホワイトアウトで信号が見えず、赤信号で交差点に入り軽自動車と衝突。
8台が玉突きになり、軽自動車の運転手と弊社の運転手が、救急車で運ばれたとのこと。

 

病院を確認するために消防署へ電話しましたが、
個人情報とのことで教えて貰えず、交番に電話しても誰も出ない。
混乱の中、12時頃に病院に運ばれた社員本人から連絡があり、病院が判明しました。
しかし、被害者の方の病院が分からず、
警察に聞いてみても個人情報で教えられない、の一点張りでした。

 

 

消防と警察の対応に頭にきて、怒り心頭でした。
言わなくて良いことを言ったり、やらなきゃいけないことが出来なかったり、
本当に困り果てました。

 

そして、色々な人とコミュニケーションを取る中で、
少しずつ冷静になってきて、適切な対応が出来るようになってきました。

 

調べてみると、その近辺で大きな事故で重傷の患者さんが運ばれる救急専門の病院は、
一つしかないことが分かりました。

 

すぐにその病院に行ってみると、被害者の方が運ばれた病院でした。
ご家族にお会いして、事故の経緯をご説明して心からお詫びをしました。

 

そしてこの時、
事故に現場に居合わせた人の中に、被害者の方を救命処置くださった方がいらした、
ということを初めて知りました。

 

被害者の方は一週間意識不明の重体でした。

 

しかし、救命処置のおかげもあってか、奇跡的に意識を取り戻しました。
この一週間、私は生きた心地がしませんでしたが本当にほっとしました。

 

一方で、私の会社の従業員は、
事故が起きた時にはどうして良いか分からない。
応急手当は何もできない、という状態でした。
それまで会社では、安全運転やヒヤリハットで事故防止は教育していましたが、
事故が起きてしまった後の対応については「通報する」ということのみで、
救急救命処置については、まったく教育していませんでした。

 

今回の事故での経験から、応急手当の大切さを身に染みて感じた私は、
自らが、応急手当普及員講習(※)を受講し、講師として社員に教えていきました。

 

さらに、全国的に<AED(自動体外式除細動器)>の普及が進んでいないことを知った私は、
会社としてAED5台購入し、1台は社内に設置、4台は収集車両に設置して
「助かる命を助ける」と決めました。

 

 

そう決めた私は、廃棄物業界の会議で、今回の自分の体験と取り組みを話しました。
すると、会議に参加したメンバーから「講習を受けたい」との声があがり、講習を実施。
講習が終わった時には、その場の全員から
「これは皆体験したほうが良い!知っていないとできないよ!」との声が上がり、
全国の会を立ち上げようと、決まりました。事故から1年後、2014年の4月のことです。

 

「助かる命を助ける」という同じ方向性を持つ仲間が集まれば、
<出来ない障害>よりも<出来た時の価値>の方を観ていたようで、
兎に角、あれよあれよという間に準備が進みました。

 

半年後の9月9日救急の日に、全国30都道府県・約60社の廃棄物業者が集まり、
【暮らしを守る!命も守る!】という理念で「全国スマイルプログラム推進協議会」を立ち上げました。
私は、立上げ当初から、会長として活動しています。

 

2019年5月現在。全国33都道府県・約70社の会員となりました。
今では、救命講習・AEDの普及だけではなく、
災害時の会社の事業継続(BCP)や、地区を超えた連携にも活動範囲が広がり、
協議会会員の普通救命受講者は1,500名を超え、AED普及も150台を超えました。

 

この経験から、全てはコミュニケーションだと感じました。
頭が真っ白になって、適切な行動が出来なかった私は、
人に話を受け取ってもらうことで現実に何をすれば良いかが観えました。

 

また、「助かる命は助ける」と自分の方向性が明確になると、
力を入れなくてもどんどん物事が進んでいく体験となりました。

 

まさか自分にこんなことが出来るとは思っていませんでしたが、
自分や周りとコミュニケーションを取ることで、この結果を創ることができました。

コミュニケーションって凄いです!

 

※)応急手当普及員講習:
防災協会で行う【応急手当普及員講習】のこと。
これを受講すると普通救命講習を講師として開催することができます。

 

 

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