ちゃんとできないことは悪いこと?ちゃんとって何?
仕事、ビジネス、経営、組織づくり講座案内CTNブログ岸英光自分自身の生き方、変化、成長コミュニケーショントレーニングネットワーク®講師の秋本です。
子どもの頃、親から「ちゃんとしなさい」と言われたことはありませんか?
使用する場面で異なりますが「ちゃんと」には、真面目・立派に、正しく・間違いなくや、
十分に、しっかりと、などの意味があるかと思います。
特に、仕事の場面では「ちゃんと」が求められることが多いですよね。
私も、仕事は「ちゃんとしなければならない」と考えており、
一人で達成できる見込みのない仕事、クオリティが担保できなさそうな仕事は
「絶対引き受けてはいけない」と思っていました。
そんな私の「ちゃんとしなければならない」パラダイム※が変わった出来事がありました。
それは、仕事で国際会議のレセプションを担当した時のことです。
手作りのおもてなしをコンセプトにしていたため、会の当日は、スタッフ総出でお迎えすることになりました。
そこで、2カ国語対応が必須でしたので、英語ができるスタッフを要所に配置しました。
特に顔となる受付は、英語が堪能なスタッフを配置し、専用受付を作って準備を進めていました。
迎えた当日、当初の予定よりも会議が押してしまい、ゲストが遅れて到着することに。
その影響で、受付が混雑し始めたため、急遽、英語対応可能なスタッフにフォローしてもらうことにしました。
しばらくすると、1つの受付だけ長蛇の列に。
英語対応可能な2つの受付の内、1列だけ20名ほど並んでいる!!
私は少しパニックになりながら
「まずい、もう1つの受付に移動してもらわないと!!
英語でなんて言ったらいいの??
英語ができるスタッフは全員埋まっているし・・・」と頭がグルグルしてきました。
海外からのゲストに失礼があってはいけない、
国際会議だし、「ちゃんとした英語で対応しなければいけない」
という思いはある一方で
「英語苦手だしな・・・・学生時代、もっと勉強しておくんだった・・どうしよう。。」
でも「この状況を脱しないと会に影響する!」と意を決して、自分で行くことにしたのです。
つたない英語を駆使し「こちらの列にお願いします」とひきつった笑顔で対応し、
何とか移動して頂きました。
ほっとしたのもつかの間、フォローに入った別のスタッフが慌てて
「この方VIPなんですけど、どの胸章をお渡ししたらいいですか?」
と聞きにきました。
「少しお待ちください」と、急いで確認。
「お付けしてよろしいですか?」とこれまたつたない英語で胸章をお付けすると、
ゲストは笑顔で「私には特別なブローチがあるのね!」と会場に向かわれました。
その後も写真を撮るのをお手伝いしたり、お土産をお渡ししたり・・・
と、たどたどしくはあったのですが、ゲストの皆さまは特に不愉快な素振りもされずに、
むしろ笑顔で会を楽しまれていました。
そこでふと、英語が「ちゃんと」話せなくても受け入れて貰える、楽しんでもらえるんだ。
「ちゃんと」できないことは悪いことではない、と気が付いたのです。
これまでは「ちゃんと」できないことはダメなこと、許されないことと、自分の行動を狭めていたかも。
「ちゃんと」できなそうなこと以外はチャレンジを避けていたことにも気づきました。
そして、「ちゃんと」していない人を無意識に非難していた自分にも。
しかも、その「ちゃんと」の基準は自分。
とても曖昧なもので、自分も相手も苦しめていたことにハッとしました。
それからは、自分とパートナーの「ちゃんと」を確認することで
物事をスムーズに進められるようになりましたし、
自分一人では「ちゃんと」できる見込みがないと思っても、
誰かにフォローして貰って達成できることは「やれること」「やっていいこと」になり、
チャレンジの幅も広がりました。
※パラダイム…価値観の枠組み。詳しくは「パラダイムシフトコミュニケーション®」で扱います。