場の雰囲気(&場の質そのもの)が一瞬で変わるという体験
CTNブログ自分自身の生き方、変化、成長こんにちは。(^-^)
パラダイムシフトコミュニケーショントレーナーの松川です。
私がパラダイムシフトコミュニケーションを学び始めた頃の体験です。
その日は、講座後に、とあるビルの高層階のお店で懇親会があり、
エレベーターが狭いタイプだったので一度に数人しか乗れず、
解散後、全員で移動ではなく、三々五々帰途についていました。
私は、その後、所用があったので、急ぎ気味で帰り始めました。
ビルを出たところで雨が降り始めていて、私はとっさに、
「某ビルの地下に行けば、そこから地下鉄の駅に繋がっている」
を思い出して、すぐ隣のビルに入り、階段を降り始めました。
その時、後方で「わー、雨だねー」「濡れずに駅に行ける道ないの?」
「地元の松川さんが、あっちに行っているから付いていこう」の声が、
かすかに聞こえ始めていて、イヤ~な予感がし始めていました。
……というのも、私は自他ともに認める、超超方向音痴なので、
「道を間違えることがある」というか「間違えない方が少ない」
くらいで、自分が間違えるのはいつものことで仕方ないのですが、
「え~っ? 道のことで私に付いてこないで!」が根強くありました。
ところが、どうも、その数人が私の後に付いてきていて、
その数人の後から、また新たな数人が付いてきていて、
ふと振り返ると、まあまあの人数の方が後ろに付いてきていました。
その中には、講師の岸さんもいらっしゃいました。
「えーっ! こんなに大勢の人が付いてきているの?」と思って、
前を向いた瞬間、目の前に、明確に『行き止まり』が見えました。
さっそく、後方で、ブーイングの嵐です。
皆さんお酒も入っていますし、遠慮ない不満の声が上がります。
「えーっ! 行き止まりじゃん!」
「だれーっ? こっちに歩き始めたのは…!」
「松川さんって、地元だよねー、何で間違えるの?」
「…ていうか階段降りてきてここにいるのだから、
あの階段を今からまた全部上がらなきゃいけない?」
「外は雨だったよねー、また今から雨に濡れちゃうの?」
「もー、先頭の人、しっかりしてよね!」
私は心の中で、
私は一言も「こっちの道だよ」とか言ってないし、
私は方向音痴なんだから、そんな付いてこられても、とか、
勝手に付いてきておいて、その罵声はないでしょう、とか、
後方の皆さんへの不満や戸惑いの気持ちも湧きながら、
とは言え、
実際この道だと思ったのに間違えてて行き止まりなのは事実だし、
皆さんが付いて来始めた時に「この道が確実に駅に繋がっているか
どうかは分からないです」を伝えておけばよかったのか、とか、
何はともあれ、このブーイングの嵐を鎮めるには、とにかく
私が謝るしかない、腑に落ちない点もあるけど謝ろう!と決意し、
深呼吸して、まずは、ゆっくりと後方の皆さんを振り返り、
『謝っても、その後もグチグチ責められるかも』とも思いつつ、
「皆さん、ごめんなさい!」を言い始めようとした瞬間、
私の言葉より先に、岸講師が、元気な声で叫びました。
「よーし、みんなー、引き返して、階段を昇るぞぉ~!」
すると……、そこにいた全員が「はーいっ!」と笑顔で言って、
全員が見事にクルっと向きを変えて、楽しそうに階段を昇り始めました。
「えっ!?」私は一瞬、何が起きたか分かりませんでした。
なーんとなく誰かに付いて来て、地下の行き止まりに遭遇し、
「なんで行き止まりなの?」と不満だらけになっていた人々や場を、
一瞬で『楽しく階段を昇る人々』にシフトさせていた岸講師、
皆の、それまでの「また階段、昇るのー?」「外は雨なのに」とかは、
いったい、どこに行っちゃったんだろうと不思議なほどでした。
『場が変わる』って、本当に一瞬なんだなーと、ビックリ!
しかも、ビックリして、そこに立ち止まったままの私に、
階段を昇っている数人が、明るく声をかけてくるのです。
「おーい、何してるのー? 早くおいでよー! こっちだよー。」
すっかり、昔からのパートナー同士のような温かい眼差しです。
さっきまで、後ろから私にブーイングを言っていたことなど、
すっかり忘れているか、まるで無かったことのようです。
実は、そのことを後日、岸講師にお話しして、
感動し感謝している旨をお伝えすると、
返ってきた言葉は「だって、なんでもないことでしょう?」
そう、そうなんです。
不本意な現実に遭遇した時、
文句や不満を言う人もいれば、誰かを責める人もいれば、
一瞬で、その場の人々全員を、ただ適切な行動に導く人もいる、
そしてそれを「なんでもないこと」と言える器を持っている。
人々を適切な行動に導くだけでなく、
場の雰囲気も一瞬でクリアーにする、シフトさせ得る、
人間って、そのくらいのことがやれる存在なんだと実感し、
「何が起きても、周りの皆様も含めて、クリアーに適切な方向に
いざなう側の存在」になろうと湧いてきて、そのためには、
パラダイムシフトコミュニケーションをしっかり学び続けよう、
そう思うきっかけとなった出来事でした。