親のガンバリが逆効果。勉強嫌いの息子にやる気スイッチが入った言葉がけ
CTNブログ家族、親子、子ども・親との関係など教育こんにちは。
千葉県在住の上原です。中学3年生の息子を持つ父親です。
夜中にふと目が覚めて、私は、突然あることに気づいたのです。
それは今まで息子を鼓舞し、励ましていた言葉の数々が、実は、息子本人の「あらゆる行動や物事を自由に選択することを妨げ、自主性を損なわせていたのではないか。」という気づきでした。
どんな言葉がけをしていたかというと、「受験に備えて早く勉強に取り掛かったほうがいい」とか、会うたびに「勉強しなさい。」「勉強しないとこうなる、あーなる。」というような息子本人を「承認しない」、極端に表現すると「息子の存在を否定する」言葉です。
もちろん、息子のことを思って口から出た言葉ですから、存在を否定するつもりなど微塵もなかったのですが、夜中にふと目覚めた瞬間の僕は、過去の自分が無意識に使っていた言葉が、息子にはどう響いていたのか、息子にどんな影響を及ぼしていたか、ということに気が付いたのです。
とても恥ずかく、息子に申し訳ないことをしていたと反省すると同時に、取り返しのつかないことをしていた罪悪感に浸り、絶望的な気持ちに見舞われたまま夜を過ごしました。
今までの言葉かけは、勉強するという行動にはつながりませんでした。それは当然です。息子に命令し、危機感を煽る、つまり脅している言葉ですから彼の心に響く、届く言葉ではありません。息子の行動に変容が起こるわけがありません。むしろ反対の感情に働きかけていることになるので自主的に行動しなくなっていました。
特に「なぜ勉強しないといけないか」などと理路整然と説明しても、勉強があまり好きではないと言っていた息子には全く届いていないようでした。受験した経験がないのですから、理解できないのは当たり前です。
一夜明け、「息子にどんな言葉をかけると、行動やその存在を承認するのだろうか」、そして「自己肯定感を満すことできるのか」ということを探究し始めました。
そこで机に向かって勉強する姿に「受験生だから当たりまえ」の気持ちや考えからは言葉を発しないで、勉強する姿勢に少しでも変化を感じたら、「今日も頑張っているな」と行動を認める言葉がけをしていきました。
集中できないでダラダラしている時も「もっと集中しないと」とか「ほら、ダラダラ遊んでばかりじゃだめだろ。もっと勉強しないと」などと自分の尺度のままで発する言葉ではなく、勉強の合間に気持ちの入れ替えをしている「メリハリを作って素敵だね」と承認する言葉がけをしていきました。
こんな言葉がけが「良い」「悪い」という具体例を言うつもりではなく、気持ちの上で、というのでしょうか、心の底から相手(の言動一つ一つ)を尊敬・尊重し、認めて発する言葉をかけていく、という感じです。
そして、このような感じで、承認する言葉がけを続けていると、息子は、苦手な英単語の書き取りする復習を終えて、「まだ習っていない中学3年生の英単語の書き取りテストしたいのだけど、つきあってくれない?」と私に依頼をしてきました。それから、親子で毎晩、英単語の書き取りテストを続けています。
英語以外の教科も、自分自身で考えて勉強し始め、勉強する内容や時間、配分などを自分で決めて進めるように。そうなると、僕はますます承認する言葉がけを息子にすることになりますから、好循環を生み出していきました。
その甲斐あって、合格判定模試などの成績は短期間で明らかに伸びています。
予想よりも模試の点数が取れなかった時には、親として僕は、点数の良し悪しではなく、息子が取り組んできた行動を認め、言葉をかけます。すると息子は、自分で足りなかった点や良かった点を見つけて、足りなかった点に対してすぐに取り組み始めていくようになりました。
COVID-19の影響があり、学校の再開の目途がたたない状況ですが、この危機を乗り越え、彼の意図通りの進学を目標とし、一緒に取り組んでいきます。取り組むというのは、もちろん、認める、承認する言葉がけを通して、息子の存在を認めることに他なりません。
息子の受験にとどまらず、あらゆるコミュニケーションの場面で、「認めるとは?」「承認とは?」を探究し続けます。